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STAFF

□制作ディレクターTによる、藤原ヒロシ新作アルバム「manners」ゆるっと解説 その5□

タワーレコード渋谷店で、自ら通常版購入して参りましたよ〜
そうしたらスタッフdさんのブログにもあったように、渋谷店限定プレゼントのオリジナルステッカーをいただきました。
僕ら世代にとってはCDショップは夢の場所。結局いろんなフロアのいろんな新作を見て、いつの間にか目が回るう〜ってなってました。
インディーズのとある作品とヒロシさん2枚だけにして、お店をあとにしました。

tr.07 1978

アルバムに向けての今年はじまりのころにスケッチがあって、前半戦の中で仕上がっていった楽曲です。
レトロなリズムマシンのビートのチョップがベーシックになっていて、それをもう一度打ち込み直したり、音色によってはなしにしたりと
わりと時間もかけて完成にたどり着きました。「♪僕には帝国主義や修正主義にはだまされない…」ポップミュージックの歌詞としては、これまたかなり過激な内容ですが、DUBテイストの全体的にまろやかなサウンド感がバランスをとっているように感じます。
感想部分に入っているヴォコーダーの声主はもちろんヒロシさん。さりげなくなんだけど、言葉が聴こえるような処理をしています。

ここまで触れてきませんでしたが、アルバムのほぼ半分のミックスダウンを手がけてくれた今本修氏。大沢伸一さんワークスをはじめ、日本のオルタナティブなダンスミュージックを多数担当してきたエンジニアです。カテゴリーにはまりすぎないミックスワークは、アルバムの中でのアクセントになっていますね。本音を聞いたら「ヒロシさんの求める完成イメージに向けていろいろと試行錯誤になりましたが、最高に楽しかったです」とのことです。

tr.08 stasi

アルバム制作の前半、作品の全体像をどうのようにすすめていくかの話のなかで、イメージトラックをヒロシさんに提案するところから始めて、そこからメロディーや歌詞の内容を誘発していこうという企画で完成にたどり着いた楽曲です。
最初、アップもあり、少し暗い感じのもありの、3つのビートトラックを聴いてもらって、先ずベーシックに一つがセレクトされた。
ヒロシさんの中にすでになんとなく構想のあるメロディーとの相性を探るため、いろいろプリプロしている中で、トラックのBPMをガツンと大幅に上げてみたところ、急に完成イメージに近づいたのか、ざっと溢れるようにメロディーと歌詞が組み立てられて進んでいきました。

前日の「sophia」と、トラックメイカーKonnie Aoki氏によるこの楽曲が、この手法によって完成したものですが、Chillっぽい音色だけど、ゆるいディスコ的な要素、という点では、出発点は同じでも、クリエイターが異なるとこんなに違うものが生まれるんだと、とても興味深い体験でした。ビートが淡々とリフレインしているトラックなので、エンジニア佐藤氏とは仕上げまで少し時間がかかりました。ある種洋楽的に、ビートが繰り返されながら高揚していく感じも大切にミックスが出来たような気がします。

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