□制作ディレクターTによる、藤原ヒロシ新作アルバム「manners」ゆるっと解説 その4□
レコードショップに並ぶニューアルバムを見て、久々に自分が関わった作品のリリースを心から噛みしめています。
少し残念なのは、万引き防止もわかるんですが、大手外資系店頭では話題の新作としてナイスな展開してくれてるのにも関わらず、実際の商品(おしゃれなボックス仕様)ではない、「これをもってレジへどうぞ」のカード陳列になっていて少し寂しいです。ただいまソニーミュージックのスタッフが速攻対応策に走ってくれているそう。さすがです。
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レコーディング中盤戦で、「うたをファルセットにした曲を作りたい」とヒロシさん。かなり高いキーを設定して、高橋コウタ氏があらかじめスケッチしていたリズムトラックにギターとうたをRECしてみました。チェックしている時に「やっぱキー高すぎたね笑」って少し下げることに。そこに渡辺シュンスケ氏の感覚的なピアノプレイがダビングされてみたら、急に楽曲がまとまってきて…わりと発案から完成までが短かったように感じます。
ヒロシさん曰く「永遠の中二病ソング(笑)」。今作の「ギターとヒロシさんの歌」というものにクローズアップされたタイプにカテゴライズされるせつなチューンですね。
独特な、サウンドのにじみ具合がせつなさを煽ります。カウベルのリバーブのバランスをとても細やかに決める作業をしていて、ヒロシさんのさりげないようで、とてもシビアなエコー感へのこだわりをかいま見ることが出来ました。ちなみにベースプレイについて。ハマくんにヒロシさんが「ウッドベースできるよね?」と訪ねたら「了解です!でもまだ少ししか触ったことないですけど」。ヒロシさん「じゃあ大丈夫だね」笑。おそるべしヒロシさんの無茶ぶり!しかしながらすばらしいプレイを残してくれましたよ。
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90年代風すこしなつかしいにおいのするトラックに、ハマくんのハイパッセージなベースプレイと、谷中さんのナイーブなフルートが絡んで、実は何にも似ていない、面白いトラックが出来上がりました。
前述の「sophia」「f.o」でも、そのスキルを見せてくれたコーラスの有坂美香さん。自分のアーティスト活動はもちろん、サポートプレイヤーからヴィオストレーナーまでこなす逸材。楽曲を聴いて
もらったら即座にハーモニーコンポーズがはじまる。あっという間にコーラスワークが完成してしまうんです。すごすぎる!
この曲はヒロシさんもとても大事にされていて、この夏のイベント出演では、アコースティックスタイルのアレンジにしてたくさん実演してきました。MCで「聴いてください、奏でて。」ってレコーディングの仮タイトルのままで曲紹介してました(笑)